今日はN響とノルドグレンの協奏曲の初合わせ。21日のブログに今回
初めて日本のオケとノルドグレンの協奏曲を共演すると書いたけど、ど
うもおかしい、何か大事なことを忘れていたような気がすると思ってい
たのだけど、高輪の練習所に行って、はっと思い出した。ここで去年の
2月に尾高忠明さんの指揮でブリテンの左手の協奏曲を弾かせてもらっ
たんだ。そして、その尾高さんの指揮でもう6〜7年前になるだろうか、
札幌交響楽団の東京公演がサントリーホールであったのだけど、その時
にノルドグレンの「左手のためのピアノ協奏曲」を弾かせてもらったの
だった。本当に僕の記憶力もだいぶ悪くなってきて、あんなに大事な演
奏会のことまで、すぐには思い出せなかったんだ。ごめんなさい。つい
でに言えばノルドグレンの初期の傑作であるピアノ協奏曲第1番も尾高
さんと札響の定期で演奏させてもらっている。これはフィンランド放送
交響楽団の委嘱作品で,1975年4月にフィンランドの国立放送響の定
期で初演された。ノルドグレンには息子のカイ君が生まれ、僕にもヤンネ
がその一ヶ月ぐらい前に生まれていて、我々二人とも若々しく、精神は高
揚していた時期だから,ノルドグレンの協奏曲も豪壮な力に溢れ、フィン
ランド放送のインタビューで僕は「モンゴルの大襲来みたいだ」と描写し
ている。この曲は渡辺暁雄さんと都響とのコンビでも演奏したが、札幌の
演奏の時の聴衆の興奮はいまだに忘れられない。ステージに6回も呼び出
され、それでも拍手がおさまらなかったくらいだ。この時の演奏会の録音
が東芝から発売された僕の26枚組のCDに収められているから是非聴いて
ください。でも、昔のことは昔。明日はまたN響と練習だ。
おやすみなさい。